患者を癒してくれる病院

私の母は90歳です。1か月に1度病院に検診と薬をもらいに通っています。

母は若い頃から病院嫌いで、少々のことでは病院に行きませんでしたが、今通っている病院が、私の小学校の同級生が院長なんです。
母は、先生を君づけで呼び、親しげに話をします。嫌いな病院でも、ここだけは別のようです。

診察に立ち会うと、飼っている犬の話から始まり、ご自分のお母様の話やお子さんの話まで、たまには看護師さんが「先生次の方がお待ちです」と言いにくるくらい、話をなさいます。注射をする時も、そんな話の中ですから、いつ終わったかわからない状態で、まるで痛くないようです。

たぶんうちだけではなく、他の患者さんにもそうみたいで、ちょっと待ち時間が長いのは仕方がありません。

小さな病院で、医療設備などはそこまで整ってはいず、専門的な治療などは、大きな病院に紹介状を書いてくれます。でも、私も母もこの病院が大好きで、これからもこの病院に通います。

世の中には、うちの母のような、高齢者の健康チェックをしてくれる場が必要です。高齢者が心の負担なく通うためには、先進医療でもなく、ドクターの技術でもありません。もちろんそれも必要かとは思いますが、何より患者をわかってくれる。患者もまた先生に会いたいという、あたたかさとか癒しだと考えます。

これからも高齢者が増加してくるこの社会に、必要な病院だと思います。

昔のように、「ドクターは寡黙」ではなく、体と心を診察するドクターと病院がたくさん必要になってくるんではないでしょうか。